藤岡食品株式会社/代表取締役藤岡輝好氏

東関東で最初に開設された中央卸売市場本場で長年、野菜・果物を病院や福祉施設など事業所に納品、青果の知識とおいしい食べ方がわかる「よこはま青果塾」も開催

横浜市中央卸売市場本場は、昭和6年2月に全国で3番目、東日本では最初の中央卸売市場として現在の神奈川区山内町に開設されました。そんな、横浜市中央卸売市場で、長年青果物を病院や福祉施設などの事業所に納品されている藤岡食品株式会社、代表取締役藤岡輝好氏にお話しを伺いました。

藤岡食品株式会社/代表取締役藤岡輝好氏



創業のきっかけとは?

藤岡食品株式会社は、昭和16年(1941年)に初代代表取締役藤岡亀三郎氏が横浜市からの要請により、横浜市中央卸売市場内にて病院に生鮮食品の配給を開始。現在も屋号は「医師会」と呼ばれているのは当時からの名残。配達のトラックや看板にも「医師会」と書かれていたのが印象的でした。

藤岡食品株式会社/代表取締役藤岡輝好氏



昭和24年に、統制解除により営業を開始し、昭和30年に藤岡食品有限会社を設立。昭和50年に現在の藤岡食品株式会社に組織変更しました。その当時は、病院から依頼された商品を届けていたそうで取扱い商品も青果だけではなく、油や乾物なども取り扱っていて、リヤカーで配達していたそう。しかし、時代と共に変化し、平成10年に扱い商品を青果物を専門化、現在は、病院や福祉施設以外にも保育園、学食、一般飲食店や企業食堂、コンビニエンスストアなどが取引先として納品されている。

藤岡食品株式会社/代表取締役藤岡輝好氏



青果知識のレベルアップ!「よこはま青果塾」とは?

大学時代は、北海道の酪農家や山梨県の桃農家で住込みのアルバイト、大学卒業後は、(株)サカタのタネ君津育種所に研究生として入社しました。今では、珍しくなくなりましたが、ロマネスコの種も40年ほど前から育種していたそう。

旬の横浜産野菜で応援と御社HPに記載がありましたが、具体的にどんな事をされているのですか??

横浜産のメリットは鮮度、デメリットは、品物が不安定、生産者レベルが上から下までバラバラなことです。弊社で例えれば、お客様から、キャベツが100ケース欲しいとなると、必ず100ケース必要で、それが横浜産で揃えることは現状とても難しいです。メニューが決まっている病院給食に配達している為、メニュー変更が出来ないのです。
しかし、横浜産野菜を生産者さん、八百屋さんが知識や知恵を勉強し共有したらレベルアップに繋がるのでは?と平成17年より「よこはま青果塾」を開塾しました。毎回テーマを決めて、さまざまの産地・品種を展示し、種苗会社・農家・市場の方を招き、勉強会を開催しています。品種・産地の違う野菜を食べ比べをしたり、料理人の方から簡単なレシピを提案など、生産者と流通中間業者と消費者のつながりの強化を図っています。現在は、コロナ禍により「よこはま青果塾」は中止されていますが、今後は、若手の生産者や流通中間業者の方にも参加してもらい、生産者や青果市場の未来を築き上げていってほしいと考えています。

今後の課題はありますか??

集荷力の落ちた横浜市中央卸売市場。これを何とか食い止めたい。原因はインフラで、横浜市中央卸売市場の近隣にある大手スーパーマーケットなどは、ほとんど東京(大田市場)から仕入れているのが現状です。ここが問題で先行きが不安です。このままだと、年々集荷力が下がり、市場が他の市場に仕入れに行かないといけない未来となってしまうので、食い止めることが現在の課題です。

濱街沿線ダイアリーで何かできることはありますか??

一般消費者の方に、もっと青果の事を知ってほしい。生産地や生産者がわからないものが出回っていて、知らないうちに口にしている。それを判断するのは個人だが、ちゃんと意識して食べるのと知らずに食べているのは違う。どちらを選択するか個人なので、しっかりと判断が出来るような情報をお伝えしたいと考えています。「旬=おいしい」でない事などの知識、簡単な調理法、横浜市中央卸売市場に入荷された、各地の青果をわかりやすく伝えていきたいです。
今回のインタビューで今後、藤岡氏より濱街沿線ダイアリーで横浜市中央卸売市場の青果情報をアップしてくださるそうです。


藤岡食品株式会社/代表取締役藤岡輝好氏



♦企業情報♦

藤岡食品株式会社

【事業内容】
野菜・果実を病院・福祉施設及び事業所等に納品

【所在地】
横浜市神奈川区山内1番地

【URL】
http://www.fujioka-shokuhin.jp/


濱街沿線ダイアリー
http://blog.hama1.jp/

記事・写真 細山麻実