株式会社デスビ・有限会社宮坂モータース/宮坂恭一郎氏

横浜市西区伊勢町で自動車修理業61年。修理業でお客様のお困りごとに答える姿勢

自動車販売・修理工場として横浜市西区伊勢町に61年。現在、既存の顧客の依頼で予約がいっぱいの為、一見のお客様は受付していないという有限会社宮坂モータース。4年前からは、時計修理専門店・横浜元町時計店を開業した代表取締役宮坂恭一郎氏に今回お話を伺いました。

株式会社デスビ・有限会社宮坂モータース/宮坂恭一郎氏

修理という共通点

長年、自動車修理業を営んできた、宮坂氏が新たなビジネスをはじめたのは4年前。
着目したのは、時計の修理店でした。

なぜ、時計修理専門店だったのですか??

大学の同級生が名古屋で時計修理行をしており、時計修理を横浜でもやりたいとの話しがきっかけでした。最初は興味がなかった。しかし、何かを販売するよりも誰かのお困りごとに手助けが出来る仕事に興味がありました。修理業は、お客様の持ち物が壊れてしまい、困っている状態が多い。この困っていることにアプローチしたいといつも日頃から考えています。おかげ様でモータースは順調、工場は依頼が多く、紹介と法人のみの対応をしております。時計店という新たなビジネス展開を考えた時、やはり時計も販売はしたくなかった。仕入れをして、他店と競争しながら販売することに興味を持てなかったのが本音です。販売よりも、困っているお客様のお役に経つ事が出来る修理業が自分の考えるビジネススタイルに合っていた。長年携わっている自動車修理と共通点があったからとも言えます。

代用品が用意出来ない時計
自動車・時計と、どちらも修理していますが、事故や故障で愛車を手放さなければならなくなった時、では次の車にと切り替えが出来ますが、時計は中々そうはいきません。時計修理は、思い出屋愛着も含めてお預かりし、修理すること。そこに、この仕事の面白さがあると思っています。時計が安くても高くてもどんな時計でも修理をいたします。よくお客様がおっしゃるんです……「この時計は安物だから、修理専門店に出すなんて……」そのようなことはお気になさらず、修理に出して欲しいと思います。

腕時計だけではなく、置時計や振り子時計、アンティーク時計など様々な時計の修理をしています。最近では某企業の会長コレクションのオルガン時計(小さなパイプオルガンが内臓された仕掛け時計)の修理があって、これがとても大変だった。コレクション部屋のセキュリティーが厳重で、運び出しで忘れ物がないようになど修理以前の苦労がありました。また、たまたま入ったお蕎麦屋さんの振り子時計が止まっていて、「この時計の修理出来ますよ!」とお声かけして、直した時は大変喜ばれたこともあります。ビジネスとしての心情は、「困っていることのほうが印象が強い」ので、リピータにもなってもらえることも多い。そういう意味では『いいものを見つけて仕事をしているな!』という思いや誇りがいつもあります。

お話を伺っていると、宮坂社長のビジネススタイルの中には常に、ユーザーのお困り事着目をおいていることが伝わってきました。

大事なことは全てラグビーが教えてくれた

株式会社デスビ・有限会社宮坂モータース/宮坂恭一郎氏

大学時代は、関東学院大学でラグビー部に所属していました。当時の監督の指導方法・コーチングは、今思い返すとビジネスをやるうえで非常に参考になっています。とにかく人をやる気にさせるのが上手かった。経営者として様々な事がありますが、大事なことは全てラグビーが教えてくれたと思っています。また、私は『一期一会』を大切にしたいと考えています。最終的には人と人の繋がり、一番大事だと感じています。

お客さまからありがとうと言われる仕事。今後目指すことはありますか?

今後時計店は、店舗を増やして行くことを視野に考えています。時計修理専門店には、スケールメリットがあると感じています。時計修理がない場所に出店すれば大変メリットがある事業です。時計修理はお客様の認識として、大手百貨店の修理店は修理料金が高く、敷居が高くて、入りずらい。私が目指す時計修理店は、ちょうどいい店舗。オシャレで、入りやすい店舗を目指している。石川町店を出店した直後、お客様からは「高級感があって入りずらい」というお声がありました。そのお声を聞き、さらに入りやすいように、時計修理というポールを立てたり、入りやすいように改良しました。半年前にオープンした馬車道店は、さらに気軽に立ち寄れる店舗を目指している。また、お客さまがお話しやすいように受付はメカニックではなく、女性スタッフがお客様のお話を丁寧に伺えるようにしています。自動車修理販売で培ったノウハウが大きいかな。メカニックや熟知した人が喋りだすと、専門的な事を話ししてしまい、受付で完結してしまう傾向があるが、そうではなく、どういう気持ちでもってきたのか?お客様の奥の物語を聞き出すようにしています。「新婚旅行で買った思い出の品なんです。」「スペインのお店で一目ぼれした」などお客様の思い出のお話を一通り共有していただき、もちろん技術的なお話の多少の折り返しは必要だが、技術的なことよりもお客様の時計に対する思い出を共有することを大切にしています。

最後に、「濱街沿線ダイアリー」で何か出来ることはありますか??

「濱街沿線ダイアリー」は、主婦ライターが活躍されていると伺いました。今後の事業展開の中で、商品アンケートなどを女性目線の意見を聞ける機会などがあれば座談会などをコラボ出来たらと思う。


株式会社デスビ・有限会社宮坂モータース/宮坂恭一郎氏

株式会社デスビ・有限会社宮坂モータース

【事業内容】
宮坂モータース:自動車整備、自動車販売/横浜元町時計店:時計修理

【所在地】
宮坂モータース:横浜市西区伊勢町3丁目147番地
横浜元町時計店:横浜市中区弁天通4丁目66番地

【URL】
https://www.tokei.yokohama/

◇横浜元町時計店・馬車道店blog◇
https://tokeiyokohama.hama1.jp/

濱街沿線ダイアリー
http://blog.hama1.jp/

記事・写真 細山麻実